クライミング雑記帳

ボルダリングとリードクライミングについてのあれこれ

2024パリオリンピックの出場選手の選考について


IFSCIOCから2024年といよいよ来年に迫ったオリンピック、スポーツクライミングの選手選考の方法が発表されました。

 

 代表選考と書かずに選手選考と書いたのは東京オリンピックでも問題になったように選手の選考が他の競技と異なるのが理由です。多くの競技では日本国内で代表選考会があってそこで選ばれた選手がオリンピックに行くというのが通常だと思いますが、クライミングは各競技、男女それぞれ20名ずつしか出場できません。1カ国につき1種目で男女それぞれ2名までしか出場できないという縛りがあります。つまり日本で言えばJMSCAが代表選手を決めるのではなくIFSCが全世界的に出場選手を決めるという形式になります(恐らく例外はフランスの自国枠のみ)。それが東京オリンピックでのJMSCAがIFSCスポーツ仲裁裁判所に訴えることとなった原因だと思います。

 東京オリンピックでコンバインド1種目だったスポーツクライミングパリオリンピックでは2種目、スピードとボルダー&リードとなりました。ボルダー&リードの選考についてこのページに書いてある内容をかいつまんで以下に記載します。

  • 男女各20名ずつ。各国で最大男女2名までなので国としては4名まで
  • 人数の枠の割り当ては各国のオリンピック委員会では無く各選手に割り当てられる
  • 男女各1名は開催国であるフランスに割り当てられる。さらに男女各1名ずつがユニバーサリティー枠に割り当てられる。残りの枠は男女18名ずつ。
  • 2008年1月1日より前に生まれた人が対象。(be born on or before 1 January 2008と書いてあるので2008年1月1日生まれも入る感じ)、日本人男子では安楽宙斗くんが2006年、関川愛音さん,村越佳歩さんは2007年と出場可能な年齢です。
  • 選考の対象になる大会は1)2023年の世界選手権、2)2023年の各大陸の選手権、3)2024年に開催されるオリンピック代表選考会の3つ。
  • 2023年の世界選手権で上位3人
  • 2023年の大陸の選手権で上位1名(世界選手権でもう決まった人は次の順位の人になる。(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアアメリカ大陸で男女5人ずつ)
  • 2024年のオリンピック代表選考会(Olympic Qualifier Series)に出られるのは2023年のワールドカップの上位の選手が招待される。各国で人数の限定あり(訳者注:2名すでに決まった国からは招待されないと言うことか)、詳細はこれから決まると言うこと。下記のように全体で10名と思われる。

    パリオリンピックの代表枠

ということで8月1日から12日にスイスのベルンで開催される世界選手権で3位に入れば同じ国から3人独占しなければ確定。2名が表彰台に登ったらもうその国からは出られない。ということになるので特に日本人男子は世界選手権が代表選考会の終了となってしまうこともあり得るように思います。

 

ただまずはワールドカップ、世界選手権に出られないとダメなのでBJC、LJCで上位に入って代表になることが最初のステップです。2023年1月中にJMSCAから2023年スポーツクライミング国際競技大会派遣選考基準が発表されます。