クライミング雑記帳

ボルダリングとリードクライミングについてのあれこれ

湯河原幕岩の黒望峰

黒望峰(湯河原幕岩)

桃源郷エリアの希望峰の上の段にある岩場です。2022年8月に湯河原でクラウドファンディングによりリボルトされたそうです。

左から赤:フェイドイン5.11a、黄色:フェイドアウト5.11c、:ネグリット5.11aです。

 

アプローチは希望峰の向かって右側から回り込んで上がれます。写真の右側の木にロープが巻いてありますが、そこまでフィックスが張ってあります。落ちたら帰還兵の出だしまで落ちますのでセルフをフィックスに掛けて行った方が安全だと思います。

 

フェイドインは出だしのフェイスでボルト4本、その後カンテの左に出てスラブを登るルートでスラブ面にボルト2本、上部に古いロープがありクイックドローを掛けられるのでQD7本+終了点(残置のビナもありました)。

フェイドアウトはQD7本。カンテの左には出ない限定ルートです。

ネグリットはQD3本。出だしがかなり高い(青い線の真ん中あたりが1Pです)ので注意が必要です。

 

岩の向き的に午前中から日当たりが良さそうで乾きも早そうですが、フェイドインのスラブ面は苔がたくさんはえているので雨上がりは怖そうな感じです。

リードクライミングにおけるビレイヤーとの体重差の問題を解決するギア

リードクライミングにおいてクライマーとビレイヤーの体重差は問題になります。特にビレイヤーが軽いときには自由に動けず苦労する、またフォールする距離が伸びるというのがあります。逆にソフトキャッチになるというメリットもあります。

 

先日インスタの広告で見たことの無いメーカーでビレイするときの抵抗を増やすギアが表示されたのでチェックしてみました。

 

RAEDという会社のadjustable bleay registorというものです。ドイツ製と言うことです。

ステンレス製のもの(365g)が21400円、チタン製のもの(299g)が26300円。

 

同等の商品でエーデルリッドのオームがありますが、こちらは18700円、340gです。

RAEDの方はフリクションを変更でき、level 1、level 2と2段階に調整できます。例えばビレイヤーが体重50kgの時にRAED無しでクラマーは最大61kg、level1で70kg、level2で82kgという記載があります。

 

エーデルリッドのホームページによるとドイツアルパインクラブの推奨では体重差が10kg以上あるときはこのようなフリクションを増加させるデバイスを使うことを推奨しているそうです。

 

RAED(ステンレス)

ちなみにエーデルリッドのオームは1ピン目に使うこと(2ピン目に使ってはいけない)、

1ピン目の真下、1m以上離れないこと、傾斜壁で1ピン目よりも壁の側に入ってはいけないというのが注意点です。

エーデルリッドのオーム

 

SoiLLの新作クライミングシューズのソールは???

ソイル(SoiLL)の新作クライミングシューズを見てちょっとびっくりしました。

 

ソイルというとこれまでは一番の特徴がダークマターのラバーだと思います。それが今回の新作ではなんとビブラムXSgripを搭載してきました。また全てビーガンと言うこと。

 

3種類あります。

  • 1本ベルクロのSTAY
  • スリッパのCATCH
  • 2本ベルクロのSTREETです。

価格は本国のサイトで円表示されているのでそれを写しました。

 

正直なところダークマターでは無い、アディダス・ファイブテンでアレオン、クロウを開発したフレッド・ニコルの監修と言うこと。正直アレオンは1回履いたけど2回目は無いという人が多かった感じ、クロウはほぼ見なかったという結果に終わったので、あまり日本では売れなさそうな感じがします。

 

 

1本ベルクロのSTAY(25500円)は垂壁から傾斜壁、大きなボリュームなどのインドアのコンペに向いているという解説です。爪先のラバーの厚みは2mm。

STAY

スリッパのCATCH(22500円)は軽めのダウントゥ、ミッドソールはフルレングスのfiberboard(検索すると木材を圧縮して固めたもの?)、と前半分だけはthermo melting board(プラスティック?)の二重構造でサポートが強そうなスリッパです。岩場の垂壁からスラブ向き。

CATCH

2本ベルクロのSTREET(22500円)は軽度のターンイン、ダウントゥ、中級者向けのシューズです。セミソフトということでインドアにもアウトドアにもと言うことです。

STREET

 

2024年のスポーツクライミング、ボルダー、リードの日程について

2024年のスポーツクライミングの日程について。ワールドカップ(WC)はボルダー5戦、リード6戦です。

 

去年との違いは

・B&L(コンバインド)が開催されない

・世界選手権は今年は無い

の2点でしょうか。

 

2月10日-12日 BJC2024

2月23日-24日 LJC2024

 

4月8日-10日 WC 上海:ボルダー1

4月12日-14日 WC Wujiang:リード1

5月3日-5日 WC ソルトレイクシティ:ボルダー2

 

5月16日-19日 オリンピック予選:上海

6月20日-23日 オリンピック予選:ブダペスト

 

6月26日-30日 WC インスブルック:ボルダー3、リード2

7月12日-14日 WC シャモニー:リード3

7月17日-19日 WC ブリアンソン:リード4

 

7月26日から8月11日 パリオリンピック

 

9月6日-7日 WC Koper:リード5

9月20日-22日 WC プラハ:ボルダー4

10月2-6日 WC ソウル:ボルダー5、リード6

 

オリンピック予選が5月、6月にあり、野中生萌、伊藤ふたば、久米乃ノ華、中川瑠の4選手はまさに休む暇が無いので大変そうです。

スポルティバのP3システムが2種類ある?

2024年のLa Sportivaのカタログのリンクについて前の記事に書きました。クライミングシューズについて見ていて気になったことがあり記事にしました。

スポルティバの独自のダウントゥを維持する仕組みとしてp3システムがあります。

カタログでp3システム搭載のシューズにはマークが記載されていますが、そのマークに2種類あります。

p3システム1

p3システム2

仮に1,2と番号を付けましたが、図が異なるだけで横の文章は同じです。

  1. Mandala、Genius、Mantra、Futura、Theory、Solution comp、Solution、Testarossa、Skwama、Skwama vegan,
  2. Katana laces、TC extreme、Katana、Miura vs、Otaki、TC pro、Kubo、Mistral

といった感じで1の方がジムで履くシューズ、2の方が岩で履くシューズという感じに見て取れます。同じp3と言うことですが1はヒールの側、2は前足部のソールの側の仕様なのでしょうか。

 

関係ありませんがKataki(Otakiのレース版)がディスコンになりOtakiもディスコンかと思いましたがちゃんと残っています。またKatanaのベルクロもP3が搭載されました。

スポルティバのカタログより

2024年のLa Sportivaのカタログのリンクがネットで出ていました。

340ページもある様です。

 

そこにはもうノーエッジのクライミングシューズがホワイトバージョンになり

掲載されていました。価格の情報はありません。177ページからノーエッジシューズの記載がありますが、最初が新作のマンダラ、次がジーニアス、マントラ、フューチュラと続きます。マンダラをかなり推しているようなのですがフューチュラから履き替える人が出るのか、興味があります。

 

マントラはかなりソフトでマーベリックの後継と思われます。フューチュラとジーニアスはヒールがソリューションコンプと同じになる以外は変化無いらしいのでこのまま。

新しく出る1本ベルクロのマンダラは噂通りジーニアスのベルクロバージョンという感じのようです。ボルダーメインならマンダラ、リードメインならジーニアスという感じでしょうか。

 

これまでのスポルティバのターンインの度合いを示すPD75などという数字の記載はありませんでした。

2024年2月25日追記、

MandalaがPD85なのでジーニアスと一緒です。ちなみにフューチュラ、スクワマはPD75、カタナはPD55です。数字が大きいほどターンインがきつくなります。

 

マントラ

フューチュラ

ジーニアス

マンダラ

 

現時点でのパリ五輪ボルダー&リード出場決定選手について

2023年11月14日時点での2024年のパリオリンピック、ボルダー&リードに出場が決定している選手は男女各6名となっています。

女子

男子

となっています。現時点で国別の出場枠である2名を満たしているのはアメリカの男子、日本の男子のみです。