リードクライミングにおいて命を守るギアの耐用年数について調べてみました。
まずはハーネスについて。ブラックダイヤモンドのホームページによると3年とあります。正直もう少し保つものかと思っていました。10年という記載を見たことがあるのですがこれは使用しない状態で適正に保管されているときの使用期限でした。
もちろん使用頻度によって3年より短くなる場合もあるし長くなる場合もあるということです。特にビレイループは1本しかないので切れたらアウト。タイインループはまだ上下2本あるのでバックアップがあると考えられます。ビレイループが傷んできたら買い替えが必要です。
次にクライミングロープです。これもググると多くのサイトでエーデルワイス社の記載が引用されているのを見かけます。内容としてはハーネスと同じで製造から未使用であっても10年以内。使用頻度は毎日使う場合3−6ヶ月、週に1回だと2−3年、時々使う場合は4−5年ということです。
ブラックダイヤモンドの取扱説明書を見ると購入からではなく製造から10年。製造年をみるにはマーキングがある、というだけで使用頻度によって異なるという程度の記載しかありませんでした。
climbing rope lifetimeでググるとWeigh My Rackのページがヒット。これによると最大10年、年2回程度で7年、月1回で5年、月に数回で3年、毎週だと1年、ほぼ毎日だと1年未満とありました。出典はマムートとBMC(British Mountaineering Counsil:英国登山協会?)との記載です。
またマムートによると懸垂下降は通常のリードクライミングに比べてロープの寿命を2−3倍早く縮める、トップロープとロウワーダウンは5−10倍早くなるということです。
もう一つ、衝撃吸収能力の低下についても記載があります。
ほとんどのロープの墜落回数は10回未満だと思いますが上のグラフの水色です。
横軸はクライミングの回数(1ピッチの定義は30m登って30m懸垂下降)、縦軸が衝撃吸収性能で約60回登るだけでカタログの性能の40%に低下、140回で20%、220回で10%まで低下しています。
墜落回数が10以上のロープはかなり使っていても当初の性能の30%を切らないのは優秀です。墜落回数ができるだけ多いロープが良いですね。
墜落係数が1以上の墜落をしたらそのロープはトップロープや懸垂下降専用にするようにとの記載もあります。
ロープの衝撃能力の低下が思ったよりも早いのに衝撃を受けました。高く感じますが自分の命より高いものではありません。特にフォールが多い人は早めに買い替えたほうが良さそうです。